B1に到達するには「どれくらい読む」?実用的な量のフレームワーク

TortoLingua turtle(カメ)が登場する記事用イラスト:B1を目指して道のり上に読書量を計画するTortoLinguaのカメの編集イラスト。

B1に到達するにはどれくらい読む?研究が示すこと

結論(短く言うと): B1を保証する「固定のページ数」はありません。理解できる文章で、語彙の反復が十分に起こり、認識を積み上げるだけの量があると、B1に近づくことはできますが、話す・聞く・書く・そしてフィードバックも依然として重要です。

語彙の観点でB1に必要なこと

Milton and Alexiou(2009, “Vocabulary Size and the Common European Framework of Reference for Languages,” Vocabulary Studies in First and Second Language Acquisition)は、B1学習者が通常、2,500〜3,250語の「語族(word families)」を知っていると推定しました。語族には、基本となる語と、その一般的な屈折や派生が含まれます。たとえば “read,” “reads,” “reading,” “reader,” “readable” は1つの語族です。

同様にMilton(2010, “The Development of Vocabulary Breadth across the CEFR Levels,” Communicative Proficiency and Linguistic Development)は、複数言語にまたがる語彙テストを分析し、B1学習者は概ね2,750語族ほどを扱えることを確認しました。この数値は、英語・フランス語・ギリシャ語・スペイン語といった言語でも概ね一貫しています。

実務的な目標は、およそ2,500〜3,000語族です。もし現時点で約1,000語族(しっかりしたA2)しか知らないなら、B1に到達するには追加でおよそ1,500〜2,000語族を獲得する必要があります。

読書が語彙を育てる:研究が示すこと

読書は、特に初級段階を過ぎたあとで、語彙を増やすための最も効果的な方法の一つです。しかし、それはどのように機能し、どれほど効率的なのでしょうか。

偶発的な語彙学習の役割

Nation(2001, Learning Vocabulary in Another Language, Cambridge University Press)は、語彙学習を「意図的」と「偶発的」に分けています。意図的な学習はフラッシュカードや単語リストのような方法です。偶発的な学習は、意味を読み取るために読んでいる最中に新しい語に出会うことで起こります。

どちらにも価値があります。ただし、読書による偶発的学習には独自の利点があります。語が文脈の中で提示され、他の語とどのように組み合わさるかが分かります。同じ語の複数の意味に触れられます。そして同時に文法パターンも強化されます。

重要なのは、偶発的な学習が最も効果を発揮するのは、学習者が本文中の「進行中の語(running words)」の少なくとも95%〜98%を理解できているとき、という点です。Hu and Nation(2000, “Unknown Vocabulary Density and Reading Comprehension,” Reading in a Foreign Language)は、未知語が2%〜5%を超えると理解が崩れることを見出しました。これは、どの教材を選ぶべきかという選定にも直結します(後述します)。

ある単語は、何回出会えば覚えられる?

新しい単語に一度出会っただけでは、長期的な獲得につながりにくいものです。では、単語が定着するまでに何回見る必要があるのでしょうか。

Webb(2007, “The Effects of Repetition on Vocabulary Knowledge,” Applied Linguistics)は、学習者が意味・形・用法について確かな知識を形成するには、単語におよそ10回出会う必要があると見ました。ただし、出会い方の性質は重要です。同じ文脈で繰り返し見るより、さまざまな文脈で出会うほうが、より深い知識につながります。

Waring and Takaki(2003, “At What Rate Do Learners Learn and Retain New Vocabulary from Reading a Graded Reader?,” Reading in a Foreign Language)は、日本人英語学習者が段階式リーダー(graded reader)を読む研究を行いました。そこでは、学習者が単一の読書で出会った未知語の約42%を取り込めていることが分かりました。しかし、その後3か月間、追加の出会いがないと保持率は大きく低下しました。ここから、量の重要性が際立ちます。つまり、単語が自然に再登場するだけの十分な読書が必要です。

Pigada and Schmitt(2006, “Vocabulary Acquisition from Extensive Reading: A Case Study,” Reading in a Foreign Language)は、1か月の間に4冊のフランス語の段階式リーダーを読む学習者を追跡しました。そこでは、特に綴りと意味の認識において、意味のある語彙の伸びが見られました。本文中でより頻繁に登場した語ほど、獲得が強くなりました。

現実的な読書量を計算する

ここまでの知見を組み合わせると、B1に到達するために必要な読書量を見積もれます。

読書による語彙獲得の「計算式」

固いA2からB1へ移るために、1,500語の新しい語族(new word families)を獲得する必要があると仮定します。各語には、確かな獲得のために多様な文脈でおよそ10回の出会いが必要です。つまり、読書全体に分散した形で、意味のある語の出会い(word encounters)としておよそ15,000回分が必要になります。

ただし、本文中の語の出会いのすべてが「新しい語」になるわけではありません。実際、どんな文章でも大半の語はすでに知っているはずです。適切な読書レベル(理解が95%〜98%)では、進行中の語のうち新しくなるのは2%〜5%です。

Nation(2014, “How Much Input Do You Need to Learn the Most Frequent 9,000 Words?,” Reading in a Foreign Language)は、自然な文章を通して最頻語彙の十分な反復に出会うには、学習者はおよそ50万〜100万のrunning wordsを読む必要があると推定しています。B1という目標に限れば、その範囲の下限寄りがより近いと考えられます。

イメージとして:

  • 初級レベルの典型的な段階式リーダーには5,000〜10,000語が含まれます。
  • 中級レベルの段階式リーダーには10,000〜20,000語が含まれます。
  • 短編小説はおよそ40,000〜60,000語です。

B1の読解力を支えるために計画するなら、レベル、言語間の距離、復習のあり方次第で、段階式リーダーならおよそ30〜50冊、あるいは短めの翻案小説なら10〜15冊といった目安を立てるとよいでしょう。これは大きな量であり、「約束」ではなく「計画用の幅」です。

現実的なタイムライン

1日30分を中程度のペースで読む(外国語では1分あたり約100〜150語)なら、1回のセッションでおよそ3,000〜4,500語をカバーします。1か月では、9万〜13万5千語になります。

このペースだと、数か月でB1の語彙成長を支えるだけの量に到達できる学習者もいれば、より長く必要な学習者もいるでしょう。ここでの前提として、ほかの手段でも学習を進めていること(リスニング、会話、ターゲットを絞った語彙の復習など)が含まれます。読書だけでは話す流暢さは作れませんが、話す練習が参照できる語彙と文法の土台を作ります。

段階式リーダーの進め方:実用的なプラン

段階式リーダー(graded readers)とは、言語学習者のために書かれた、または段階に合わせて編集された本です。語彙と文法が、特定の到達度に合わせて調整されています。重要語彙を繰り返し再利用しつつ、適切な難易度を保つため、語彙獲得のための最も効率的な読書教材の一つです。

適切なレベルを選ぶ

学習者が最もよくやってしまう間違いは、難しすぎる文章を選ぶことです。2語おきに調べているなら、「読んでいる」のではなく「解読している」状態です。確かな語彙獲得のためには、少なくとも本文中の95%以上を理解できるテキストが必要です(Nation, 2001)。

実務的には、次のように考えるとよいでしょう。

  • A2レベルでは、多くの出版社のシリーズで「elementary」または「level 2」といった表示のある段階式リーダーから始めます。
  • 止まらずにそのレベルを快適に読めるようになったら、次のレベルへ進みます。
  • 各レベルで進む前に、いくつかの本を読みましょう。同じレベル内での幅(多読の広がり)は、先へ飛びすぎるよりも、語彙をより効果的に強化します。

レベルごとの読書プラン

以下は、A2から始めてB1を目指す学習者向けの、実用的な進行例です。

  1. フェーズ1(第1〜6週):初級の段階式リーダー。 レベル2〜3(1,000〜1,500語の見出し語彙)の本を8〜10冊読む。読書スピードと読みやすさの構築に集中します。
  2. フェーズ2(第7〜12週):中級の段階式リーダー。 レベル3〜4(1,500〜2,500語の見出し語彙)の本を6〜8冊読む。繰り返し登場する新しい語について、語彙ノートを始めます。
  3. フェーズ3(第13〜20週):上級中級の段階式リーダーと簡単なオーセンティック文。 レベル4〜5(2,500+語の見出し語彙)の本を5〜6冊読む。ネイティブ向けに書かれた、シンプルなニュース記事、ブログ記事、短編小説なども補助として加え始めます。
  4. フェーズ4(第21〜26週):オーセンティック素材への移行。 翻案テキストとオーセンティック文を混ぜて読みます。ヤングアダルトの小説、人気のノンフィクション、または目標言語でのオンラインコンテンツを読みます。

このプランでは、6か月で合計およそ25〜30冊になります。これは先ほどの見積もりと整合します。TortoLinguaのようなプラットフォームでは、こうした進行に合うレベル別の読書コンテンツを提供しており、各段階で適切な教材を見つけやすくしてくれます。

進捗を測る

読書による語彙の伸びは段階的なため、進捗を確実に測る方法が必要です。そうしないと、偶発的学習の遅いペースが、がっかりする要因になり得ます。

語彙サイズのテスト

読書プログラム開始時と、その後6〜8週間ごとに語彙サイズテストを受けます。NationとBeglar(2007, “A Vocabulary Size Test,” The Language Teacher)によって開発された語彙サイズテストはオンラインで無料で利用でき、英語の受容語彙を信頼できる形で推定できます。他の言語でも同様のテストがあります。

読書スピード

各レベルで1分あたり何語読めるかを記録します。同じ難易度のままでスピードが上がっていれば、流暢さが改善している指標になります。次のレベルへ進む前に、目標言語で少なくとも1分あたり100語を目指しましょう。Beglar, Hunt, and Kite(2012, “The Effect of Pleasure Reading on Japanese University EFL Learners’ Reading Rates,” Language Learning)の研究では、幅広い読書(extensive reading)プログラムが読書スピードを大きく改善し、1年で平均50%の伸びが報告されています。

理解度チェック

各本を読み終えたら、記憶をもとに短い要約を書きます。主要な出来事を言い直せますか?登場人物を説明できますか?本文を参照せずにそれができるなら、理解はしっかりしています。うまくいかない場合は、その本が難しすぎる可能性があります。再読するか、次はもっと易しい本を選びましょう。

98%テスト

定期的に、現在読んでいる教材の1ページを取り、知らない単語をすべてマーキングします。running wordsが100語中2〜3語以上わからないなら、幅広い読書としてはテキストが難しすぎます。量を稼ぐためにはより易しいテキストに移り、難しめの本は集中学習(intensive study)向けに使うとよいでしょう。

読書に加えて他の方法:バランス型のアプローチ

読書は強力ですが、より広い学習戦略の一部として使うのが最も効果的です。読書が他の方法とどう組み合わさるかは、次のとおりです。

  • 意図的な語彙学習: 読書中に出会った語を補強するために、間隔反復システム(Ankiのようなもの)を使います。この組み合わせは、Nation(2007, “The Four Strands,” Innovation in Language Learning and Teaching)が「バランスの取れたプログラム」と呼んだもので、語彙獲得を大きく加速させます。
  • リスニング練習: 段階式リーダーの一部のシリーズには音声版が含まれています。読みながら聞くことで、発音・プロソディ(抑揚)・語の認識スピードが強化されます。
  • スピーキング練習: チューターや言語パートナーと、読んだ内容について話し合います。受動的な語彙を活性化し、受容的な知識を産出的な知識へ変換します。
  • ライティング練習: 読んだ内容のレビュー、要約、あるいは返信文を書きます。新しい語彙を能動的に使うことを強制します。

結論

B1を証明する固定の読書量はありません。テキストが理解でき、十分な頻度で反復され、さらに復習とセットになっているなら、まとまった読書プログラムはB1の読解力と語彙を支えることができます。25〜50冊の段階式リーダー、いくつかの翻案小説、あるいは毎日の読書を数か月続ける、というような範囲は「例」として捉え、保証として扱わないでください。もし話す・聞く・書く・または試験でのB1が必要なら、そのスキルに対する練習とフィードバックも追加しましょう。extensive readingから始め、テキストはあなたのcomprehensible inputのゾーンに近づけます。そしてspaced repetitionは、読書のループを支えるために使いましょう。

読書量のガードレール

B1は「できること(can-do)」のレベルであり、固定のページ数ではありません。読書量はB1の読解力や語彙を強く支え得ますが、それだけでは話す・聞く・書く・試験のパフォーマンスは証明できません。正直な見積もりには、現在のスタートレベル、言語間の距離、週あたりの学習時間、テキストの難易度、復習、フィードバックが必要です。

この記事の数値は、保証ではなく「計画用の幅」として使いましょう。その手法として、読書で言語を学ぶextensive readingcomprehensible inputspaced repetition言語学習にかかる期間を、このページと組み合わせてください。

「読書量」の精度を上げるためのガイド

ハブ(中心ページ)が出せる以上に、より精密な答えが必要な場合は、次のガイドを使ってください。

次に読むテキストを選ぶ

方法は理解できたけれど、次に何を読むか迷う場合は、reading level checklistを使って1ページをテストし、「読み続ける」「短い範囲を学習する」「もっと易しいものに移る」の判断をしましょう。

週ごとの読書計画を立てる

適切なテキストを選んだら、reading volume plannerを使って、その選択を週の目標に落とし込み、2週間後に調整します。

段階式リーダーを選ぶ

具体的な1冊が欲しいときは、graded reader finderでレベル、言語、音声、ジャンル、法的な出所を比較し、読書プランに追加する前に確認しましょう。

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